― 最初に分かち合う実践知として ―
能力がある。
成果を出してきた。
周囲から期待され、責任も増えていく。
それにもかかわらず、
ある時から、これまで通用していたやり方が
少しずつ噛み合わなくなっていく。
- 自分でやった方が早い
- 正しい判断をしているはずなのに、人が動かない
- 任される立場から、任せる立場へ移ったはずなのに、なぜか苦しい
もしあなたが、こうした感覚を持っているとしたら、
それは能力不足ではありません。
多くの場合、
リーダーとして次の段階へ移行する途中にある
というだけです。
リーダーには「移行の谷」がある
能力ある人が、
人を幸せに導くリーダーへと変容していく過程には、
必ず越えるべき“谷”があります。
私はこれを
Leader Transition Gap(LTG)
── リーダー移行の谷 ──
と呼んでいます。
この谷は、
- 努力が足りないから生まれるのではなく
- 意志が弱いから現れるのでもなく
役割と視座が切り替わるときに、
誰もが一度は立つ場所です。
そして、この谷は
あなたが初めて立っている場所ではありません。
先人たちは、すでにこの谷を越えてきた
歴史を振り返ると、
この谷に立ち、悩み、立ち止まりながらも、
越えてきた人たちがいます。
彼らは、
「正解」を残したわけではありません。
代わりに、
考え方、原理、視点、問い──
叡智を残しました。
このブログで扱ってきた
世界の見方、先人の叡智、実践知は、
すべてこの地点で再び交わります。
LTGは「思想の結論」ではありません
このLTGは、
私の思想の頂点でも、万能解でもありません。
これまでに培ってきた叡智を束ね、
今の時代に、まず分かち合う実践知のひとつ目
として位置づけています。
- 能力ある人が
- 人を幸せに導くリーダーへ移行する
- そのときに立ち現れる構造を言葉にし
- 越え方を、叡智として手渡す
それが、この章の役割です。
今、この谷に立っているあなたへ
もしあなたが今、
- これまでの延長では前に進めない感覚
- しかし、後戻りもできない感覚
その両方を感じているなら、
それは停滞ではありません。
変容が始まっているサインです。
この章では、
LTGという構造を手がかりに、
その谷の正体と、越え方を、
静かにひもといていきます。
※
このテーマについては、
現在 note にて連続的に発信しています。
日々の思索や具体例は、そちらも併せてご覧ください。