「アメーバ経営」の現場:圧倒的なモチベーションをかき立てる「今」の「自分」の「結果」の【フィードバック】

稲盛和夫一日一言

稲盛和夫氏の「アメーバ経営」の根幹は【フィードバック】による『モチベーション』。「アメーバ経営」とは「小集団」*「採算」で解説されている。これに付け加えるべき要素は「今」。「今」の「自分」の「結果」をタイムリーに【フィードバック】されることの効果を現場体験から振り返る。

稲盛和夫氏の経営の両輪

稲盛和夫氏の経営の根幹を構成する両輪は2つ

  1. フィロソフィ 人としてどうあるべきか?という哲学=EQ
  2. アメーバ経営 正確でタイムリーな管理会計=IQ

ここでは「アメーバ経営」。つまり正確でタイムリーな経営実績が「今」の「自分」の「実績」として全員にタイムリーに【フィードバック】される。そのことが、現場にどんなモチベーションをもたらすのか?を振り返る。

アメーバ経営

アメーバ経営とは稲盛和夫氏の生み出した管理会計の手法。時間当たり採算制度とも呼ばれてきた。

企業の人員を特定の項目ごとに6~7人の小集団(アメーバ)に分類する。アメーバごとに「時間当たり採算=(売り上げ-経費)÷労働時間」を算出し、アメーバごとに時間当たり採算の最大化を図る。時間当たり採算の目標値を月次、年次で策定。目標値に到達させるための汎用性のある方法として挙げられている「労働時間短縮」やアメーバごとに適用させた「売り上げ増加策」を実行に移して目標達成を目指す。

Wikipediaより抜粋

具体的には

この説明だけでは少し実感に乏しい。「小集団」「採算」の2つに加えてもう一つの大切な要素である「月次」を加えて具体的に示す。

小集団」という事業部、部、課、或いは係という事業の単位毎に「一ヶ月」を一区切りとしてPDCAを回す。毎月毎月、仕事の成果が数字でタイムリーに【フィーバック】される。実際の活動は以下の通り。

  • お互いの顔のわかる小さな職場の単位で月次生産と採算計画を自分たちで作成し
  • その月を締めた瞬間に生産と採算数値が実績として【フィードバック】される

今の自分の経営数字

(青色で示す)→自分水色で示す)→今(赤色で示す)→実績がタイムリーに【フィードバック】される。

この経営実績はどこか遠い上の誰かのものではなく「自分」の「」の「結果」として腹落ちされる。こんなにわくわくする仕組み=『モチベーション』をかき立てられる仕組みはない。これは社員一人一人に経営者の意識を持ってもらう仕組み。稲盛和夫氏流の「圧倒的当事者意識」の醸成のやり方。

現場で語られる会話

小さな事業単位の現場で語られる会話の事例。

  • 月初:うち今月予定は先月よりも売り上げXXX円上げて、利益をXXX円上げる!
    • ちょっと厳しけど・・・
    • でも、XXXをやれたらなんとかなるよね
  • 月末:今月予定達成できたね!皆んな頑張ったね。
    • 大変だったけど、、、あの改善が効いたね

「うち」「皆んな」

うち」という言葉が使われる。会社全体ではなくて自分が所属する小さな単位だからこそ、自分たちの数字になる。最小で課、或いは係単位でこの計画と実績のサイクルがまわる。

「今月」「今」

今月」とは実績を意味する。何ヶ月も前の実績を数ヶ月後に知る訳ではない。新鮮でとれたて!結果として腹に落とす。

タイムリーとは

  1. ちなみに当月の予定は稼働日の初日に計画されて翌朝に経営管理部門に登録
  2. 月末の実績は月の最終日のお昼12時に確定
  3. その日の午後には翌月の計画策定を始める

未達の悔しさと再チャレンジ

逆に、予定が達成できなかった場合も当然その結果は即刻フィードバックされる。この時は悔しくて仕方がない。」の「自分」の「結果」だからこそ悔しい

しかし、最終日の午後からすぐに「次の月」の計画が始まる。これは言い換えれば次のチャレンジの機会。今月こそは!と改善を図る。

年12回のチャレンジ

結局、どの部門も1年間で12回のチャレンジをすることになる。PDCAを毎年12回繰り返す。1年が終わると『何勝何敗』という実績も残る。

現場のモチベーション

どんな組織にもどんな会社にも計画と実績のフィードバックはあるはず。ここに記した「アメーバ経営」の仕組みがどのくらい当たり前なのか?どのくらい特殊なのか?「アメーバ経営」にどっぷりと浸かって生きていた私にはわからない。

一つだけ確かに言えることは「自分」の「」の「結果」がタイムリーに【フィードバック】される仕組みの中で、ごく自然に『今日より明日、明日より明後日』をより良くしようという改善の『モチベーション』が培われてきたこと。

新入社員の年からこの【フィードバック】の仕組みと周りの仲間の『モチベーション』に巻き込まれていた。仲間とは社員に限らない。とんでもない『モチベーション』溢れるパートさんも、毎月毎月全力で計画の達成に参画していた。

「アメーバ経営」の現場では、今も嬉々としてワクワクして「自分」の「」の「計画」を達成すべくPDCAサイクルを回し続けている。

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