「話を聴く」を止めて「自分が話す準備」をしていませんか?相手の話をそのままに真摯に受け止める【傾聴】=【受容】+【共感】の豊かな価値に気付いた体験:2人の後輩との会話

Coaching

相手の話を聴いているつもりで、実は自分が次に何を話すのか?を考え始める。途中で話を遮って自分の話を始める。あるいはそもそも最初から相手の話を聴いていない。そんな「今までの自分」にやっと気付いた。コーチングの基本=【傾聴】を実践してみて、その効果、その深い価値を知った体験。

「会話」ではなく「演説」

自分の日々の「会話」を『学んだコーチングの視点』で振り返ってみて愕然とした。自分がやっていることは「会話」ではなく「演説」。

  • 相手の話を聴くことを途中でやめて頭の中で自分が「演説」する準備を始めている
  • そのうちに相手が話している途中で話を遮ってこちらが「演説」を始める
  • もっと最悪のケースは最初から全く話を聞かずに自分の「演説」の番を待っている

やっていることは双方向の「会話」ではなく一方的な「演説」。

具体的に挙げると

実際の会話の時の自分の心の中を覗いて考えていることを挙げてみる。相手が話し始めると。。。

  1. 俺も前にその経験したよ。知っている!
    • 「俺の経験をえてあげようと自叙伝の演説の準備を始める
  2. ええーっ!そんなことも知らないんだ。
    • 教えてあげないとねと教育の演説の準備を始める
  3. それは間違いでしょ!
    • 正解を教えてあげないとねと間違いを正す演説の準備を始める
  4. 俺の話を聞かせてあげるよ!
    • 最初から聴くつもりはなく終わるのを待っているだけ。最初から自分の演説をするつもり

演説の準備を始めた時点から相手の話を聴くことを止めてしまう。それでも相手の話が終わるまで待てればまだマシ。下手すると途中で相手の話を遮って自分の演説を始める。

こんな一方的な演説を会話と思ってきた。これが相手に届くはずがない。

ある後輩との会話

逆のケースもあった。

ある非常に頭の切れる後輩と話をしていた時のこと。私が話している途中、ふと彼の反応に違和感を覚えた。よくよく彼を観察してみると、目が左斜め上の方を見ている。明らかに私の話は聴かずに考え事をしている。彼の心は此処にはない。そこで尋ねてみた?

今、話、聴いてた?・・・それとも次に自分が何を言おうか考えてた?

彼は、ハッとして、頭をかきながら答えた。

「いやあ・・・よく分かりますね。確かに聴くのをやめて次に自分が何言おうかと考えてました。」

何のための会話

こうやって振り返ってみると何のために会話しているのか分からなくなる。お互いに自分の意見を「演説」する。でも相手の「演説」は受け取らない。何の価値も創れていない不毛な「会話」?

新しい発見や価値をお互いにシェアし合うこともなく、お互いのコミュニケーションの深まりもない「会話」。

【傾聴】は【受容】と【共感】

コーチングでまず基本として学ぶことは【傾聴】。まず相手の話を【聴く】。相手の話を【受容】して【共感】する。シンプルに言うと

  1. 最後まで口を挟まずに相手の話をまっすぐに真摯に聴き
  2. 相手の話を否定もせず、かといって賛同もする必要はなく、そのままに受け止め
  3. 話をしている相手の感情に寄り添う。

何十年と生きていてもこんなことができていなかった。

別の後輩をコーチング

そこで、別のある後輩に【傾聴】を意識してコーチングをしてみた。彼も非常に頭の切れる人間。自分の世界を持っていて仕事はできる。少し人付き合いは苦手。どちらかというと無口で普段はあまり積極的には話さないタイプ。

とにかく【傾聴】=【受容】と【共感】を意識して相手に集中した。自分が話すことはせず、ひたすらに彼の話に真摯に向き合い、受け止めた。すると。。。

驚くことに無口なはずの彼の口から溢れ出すように言葉が出てきた。

  • 内面に秘めていた今の仕事に対する熱い思い。
  • 自分で学び続けていた本や習慣のこと。
  • さらに彼の心の奥底にある彼が本当にやりたいこと。

そこには、私がこれまでに見た事のない彼が居た。その夜、彼にメールでもらったのはこんな内容。

「何だか久しぶりにたくさんお話しすることができました。ありがとうございました。」

これだけの文章・・・でも心が熱くなった。

【傾聴】の希少性

人の話を【聴く】。「聞く」でもなく、「訊く」でもなく【聴く】。その効果を目の当たりにした。

  • ほとんどの人は本当は自分の話を聴いてもらいたがっている。
  • でもほとんどの人は他人の話をかない

だから、皆んなが自分の話を聴いてくれる人を求めている。でも自分の話を聴いてくれる人はほとんどいない。【傾聴】は得難い希少性の高い価値。

【傾聴】を習慣に

これまでの人生で十分に話をしてきた。十分に「演説」してきた。でもこの「演説」は相手の心に届かない経験の方が多かった。

これからは傾聴する役割を担うことにした。

  • 傾聴する】だけでこんなに豊かな価値を相手から頂き、受け取ることができる。
  • 傾聴する】そのことが相手にも価値を提供することにもなる。
  • その結果、こんなにも仲間と心が通じ合う。

傾聴】することで大切な仲間たちの豊かな価値を活かす支援をしていく。私の人生が変わり、大切な仲間たちの人生も変わる。

さらにコーチングを学び【傾聴】を体得して習慣にする。

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