重大でかつ緊急事態なんてものは誰にでも訪れる。今、久しぶりに遭遇した重大かつ緊急事態に取り組んでいる。日々の戦いの中でふと思い出したのは映画『サマーウォーズ』のヒロイン夏希の曽祖母:栄おばあちゃん。改めて映画を見直すとそこには緊急事態の手本となるべき心構えがあった。
重大かつ緊急事態
久しぶりに大きな品質クレームに遭遇。重大かつ緊急事態。とたんに全ての仕事の優先順位がひっくり返る。これに関わるアクションが全てに最優先となり目の前が緊急アクションで埋め尽くされてしまう。
ありがちな反応
重大かつ緊急事態に遭遇した時のありがちな反応は。
- 最初は問題の深刻さや緊急度がわからず、捉え損ねてしまう。
- 問題が大きくなってからその重大さと緊急度合いに気づく。
- 気が動転する
- とにかくなんでもいいからあり合わせの処理をしようとする
- 処理をすることに心を奪われて、問題を解決するというゴールを見失う
- 状況が刻々と変わる中で、ゴールを見失った手は、次々に的外れになっていく
- 事態はさらに悪化
- この問題は解決できないのでは?と大きな不安に襲われる
- 誰も助けてくれないと、孤独感に襲われる
その場しのぎの行動をする中で、解決に寄与するはずの大切なアクションが抜け落ちて、負のスパイラルが回り続ける。
栄おばあちゃん
修羅場の中で、ふと思い出したのは劇場版のアニメ映画『サマーウォーズ』の真の主人公ともいうべ夏希先輩の曽祖母【陣内栄】おばあちゃん。ちなみにこの陣内は「じんのうち」と読むらしい。
腕を組み仁王立ちでTVのニュースを睨んで、仮想現実の世界でのAIの暴走という、重大かつ緊急事態に気づいた栄おばあちゃん。まずこの事態の深刻度合いをいち早く認識する。
- これはあれだね!まるで敵に攻めこまれているみたいじゃないか!
- 下手をしたら死人ができるかもだね。
と、人の生死に影響する重大事態であることを認識した彼女の行動は早い。まずは現場で働く孫たちを叱咤激励する。
- いいか!挫けていないで一軒でも多くのお年寄りを訪ねんだ!
- 意地を見せな!
- これは戦さだよ!私もなんとかするから!
「私もなんとかするから」とは、戦さに自らも参画することの宣言!
教え子への叱咤激励
次に日本の社会で重い責任を担っている教え子や幼馴染みに電話をかける。緊急事態であることを改めて理解させ、責任を思い起こさせ、叱咤し、アドバイスし、そして何よりも全力で励ましている。
- 何!今やろうと思ってた!ふざけんじゃないよ!
- 引退した人でもいいんだ。一人でも多くの医療関係者に声かけて協力して欲しいんだ
- 大事なのは昔のように人と人とが声かけあってコミュニケーションをとること。それを一番わかっているのはあんたじゃないか!
- あんたの決断に掛かっている。それは確かに人手はかかる。けど人の命には代えられないだろ!
- 何千、何万と言う人が困っている。ここで頑張らないでいつ頑張るんだい!
- 諦めなさんな!諦めないことが肝心だよ。これはあんたにしかできないことなんだ。あんたならできる。できるって。そうだよ!その意気だよ!
おばあちゃんの言葉は戦場のど真ん中で戦っている人の心に響く!
緊急事態の心得
これは数多くのクレームに対応してきた経験とシンクロする。
- 正確に事態を認識する
- 何千、何万という人が困っている。
- 人の命には代えられないだろ?
- 行動を開始する
- 今、やろうと思ってた?ふざけんじゃないよ!
- ここで頑張らないでいつ頑張るんだ?
- 腹を据える
- あんたの決断にかかっている
- ここで頑張らないでいつ頑張るんだ?
- 励ます
- それを一番分ってるのはあんたじゃないか!
- あんたにしかできないことなんだ。あんたならできるって!
- チームで取り組む
- 大事なのは人と人とが声掛けあってコミュニケーションをとることなんだ
おばあちゃんの遺言
栄おばあちゃんは一旦、この危機を乗り切った翌早朝、この危機が本当のクライマックスを迎える前に亡くなってしまう。一通の手紙を残して・・・
その手紙は、世界中の原発に衛星の破片が落下する危機まであと2時間という差し迫った状況の中で読まれる。
いつもと変わらず、家族みんなそろって、ごはんを食べること。一番いけないのは、おなかが空いていることと、1人でいることだから。
映画「Sammer wars」より
なんとこの陣内一家は2時間後に世界が破滅する事態の中でみんなでごはんを食べるという団欒を始める。
・・・
- ごはんを食べる
- みんなそろって
について、掘り下げてみた。
ごはんを食べる
まずはごはんを食べてから・・・
これがなかなかできない。でもこれが本当は一番大切な「原則」なのかもしれない。。。
食べること=人間の基本的な生きるための営みであり、いちばん日常的な営みでもある。どんな緊急事態に遭遇してもまずここに立ち戻る。これが「落ち着いて」「力を最大限に発揮する」ための原則なのかもしれない。
みんなそろって
一人でいないこと。緊急事態の中でこそ必要な仲間を集め、チームを作り、解決を図る。これは基本原則。
当然、結果責任はリーダーが負うべき。
それはリーダーが全部自分でやることを意味してはいない。仲間を集めてその助けを求めることもリーダーシップの大切な役割。得意なことは得意な人に全面的に任せる。
この『サマーウォーズ』でも登場人物のそれぞれが得意なことを役割として果たしている。
- 格闘技バトル 佳主馬
- 花札勝負 夏希先輩
- 数学のクイズを解く 健二:主人公
- 格闘技バトルの支援 佳主馬の師匠でもある陣内家のおじさん
- 高性能のPCや電力供給・ミリ波による通信支援 陣内家のおじさん達・・・一体どんな家族や?
なるほど。。。チームの構図が見えてきた。ではこのチームを率いているリーダーは誰!
リーダーの役割
こう考えると、どうみてもリーダーは栄おばあちゃん。PCもスマホも扱えないけれど・・・また、最後のクライマックスの前に亡くなってしまうけれども・・・
- 人の命に関わる危険に対して決して諦めずに徹底的に闘う大方針を少しも揺るがさず
- 危機の中でも動中の静を忘れず
- 人を観て
- それぞれが自分の強みを発揮して闘うことを支援する
このチームを率いているリーダーシップは間違いなく栄おばあちゃんから発している。
学びと習慣化
学びを整理する。緊急事態のリーダーシップとは
- 事態をいち早く、正しく認識すること
- 目的を明確にして動き始めること
- 落ち着いて腹を据えること
- 人を観て、仲間を集めてチームを作ること
- 得意な人に得意なことを任せること
- 結果の責任を全て担うこと
これが普通にできるとどんな緊急事態にも動ずることなく取り組める。また、これをいつでもできるように日頃から心がけたい。
ー 治に居て乱を忘れず ー
ちなみに、この緊急事態の渦中で時間を作って「サマーウォーズ」を視聴し直す私もどうかと思う。だが、とりあえず、それをした自分を承認。
ー 忙中閑あり ー
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