大学の物理学部に入ったものの、挫折した経験のある私にとって、あたらめて物理学に対する思いを呼び起こさせてくれた本。何気なく手にとって読み始めたこの本は、”それぞれが別々の物事の背景に隠れている共通の大きな構造や仕組み”を知る事のワクワクする喜びを思い起こさせてくれた。
ニュートンが天体をモデルにして計算した”加速度”の値が9.8m/secであり、ガリレオの重力加速度と同じであるということを発見した感動
G:万有引力速定数 C:光速、プランク定数によって計算されるプランク長という長さの最小単位についての記述
空間、時間、粒子でできていたはずのニュートンの時代の世界の認識が、マックスウェルにより場の概念が導入され、時空間と量子場の二つに統合され、さらに共変的量子場と一つに統合されようとしているという俯瞰図の変遷。
私たちの感じている”時間”の感覚は熱、つまり統計によって生み出されている?というコメント。
長い間物理から離れていた私には残念ながら後半部分を理解できる力はない。しかしマックスウェルの方程式からもう一度、学び直して見たいという気持ちを呼び起こしてくれた本
大学を卒業するときに自嘲して自分に言っていた言葉を思い出す。”俺は物理学部に入りたいと思うほどに、ロマンティストだったけれど、数学の海を泳ぎ切るほどの根気はなかった”。今なら数学の海を泳げるだけの根気と時間を見つかられるかもしれない・・・

すごい物理学講義 (河出文庫)
だれもが興奮できる究極の世界原理! わたしたちは、こんな驚きの世界に生きている! 時間は存在しない、ビッグバンの先にあるもの、無限の終わり……最新物理学をあなたに。 これほどわかりやすく、これほど感動的な物理本はなかった。長い物理学の歴史から導き出された最前線の宇宙観。 「メルク・セローノ文学賞」「ガリレオ文学賞」受賞...
コメント