ジル・ボルト・テーラー氏の2冊目の著書は『ホールブレイン』。自分の脳の中の4つのキャラに名前をつけて自己対話するという【叡智】が具体的に示されている。試してみて名前をつけた自分の中の4つのキャラとの会話はそのまま質の高いセルフコーチングになることに気づく。
4つのキャラ
ジル・ボルト・テーラー氏によると右脳で2つ・左脳で2つ 合計4つのキャラが自分の中にいる。どこにいるのか?を場所・役割・所属で分類してみると以下の通り。
キャラ | キャラ1 | キャラ2 | キャラ3 | キャラ4 |
場所 | 左脳 | 左脳 | 右脳 | 右脳 |
役割 | 考える | 感じる | 感じる | 考える |
所属 | 人間脳 | 動物脳 | 動物脳 | 人間脳 |
自分の4つのキャラの名付け
早速、自分の中の4つのキャラを探してみた。なるほど!確かに自分の中にも4人の異なるキャラがいる。早速、彼らに名前をつけてみた。
第一のキャラ「理知くん」
場所:左脳 担当:考える 所属:人間脳
第1のキャラには「理知くん」と名付けた。いつもしっかりと冷静に世の中を観ている、結構、優秀な彼。論理的に考えることも、言葉も、計算も得意。これまでの人生の中で彼にたくさん助けてもらってきたことを知る。敬意を表して「理知くん」と名前をつける
第二のキャラ「警戒くん」
場所:左脳 担当:感じる 所属:動物脳
第二のキャラには最初「アラームくん」と名付けた。「大変だ!」「どうする!?」とアラームをいつも鳴らしているのはコイツ。自分の中の引っ掻き回しキャラ。
この「アラームくん」の名前は結構気に入っていたが、自己対話を続けるうちに「あの時、こうすればよかった」という過去の出来事への後悔や「これからどうなるんだろう?」という将来への不安も、コイツの守備範囲であることくに気づく。そこで「警戒くん」と改名。
過去を振り返ってみると、あまりうまくいかなかった思い出は大抵「警戒くん」と結びついてる。コイツをなんとかしなければ!
第三のキャラ「天真くん」
場所:右脳 担当:感じる 所属:動物脳
第三のキャラ。確かにこの子も自分の中に居る。陽気で能天気で野放図に幸せな子。記憶を辿ると楽しいことや全身ただ幸せに浸りきった思い出の中にこの子がいる。
二人の子供に言われた言葉を思い出す。
「お父さんって、私たちが小さい時、どんなに仕事で遅くなっても、大変な時でも機嫌の悪い時ってなかったよね。いつも冗談言ってて、即興で今日の出来事を歌にしてたよね。🎵今日もトマトスープが美味しい🎵」
おふざけが好き、人が大好きで、誰にでも何かとチャチャを入れたくなる。天真爛漫の「天真くん」の名前がこの子ピッタリ。
第四のキャラ「悟りびと」
場所:右脳 担当:考える 所属:人間脳
第四のキャラには「悟りびと」と名付けた。・・・人というよりも此処につながっているという感覚。
子供のころから数ヶ月に一回「自分って誰?」の【問い】に襲われてきた。「名前のついている自分」ではなく、「その底にある名前のない存在」としての自分に向き合う。「これは誰?」「この自分って誰?」底の見えない深淵を覗き込んでいるような感覚。これは第4のキャラに関係しているに違いない。
「禅」に興味を持ち「悟り」を開きたいと思っているのもおそらく此処。
大きな品質問題の絶体絶命のピンチの中でなんとか答えを見つけるためのゾーンに入った時に居た場所もおそらく此処。
気づき
4つのキャラを名付けてみてとってもシンプルなことに気づく。トラブルの時にはいつも「警戒くん」が居る。トラブルは、以下のケースで起きている
- 外部からの刺激に、まず「警戒くん」がアラームを鳴らし
- 次に、残りの3つのキャラ全部がパニックを起こし
- 結果「自分自身」が「警戒くん」にコントロールを乗っ取られ
- この「警戒くん」が自分の外の人とコミュニケーションをとり始める
「警戒くん」が自分の外の人とコミュニケーションを始めるとうまくいかない。
「警戒くん」にコントロールを渡さない
どうすれば良いのか?答えはシンプル。「警戒くん」にコントロールを渡さないこと。
早速「警戒くん」との付き合い方を考える。コーチングの勉強会で学んだ「ネガティブ感情の取り扱い方」の手順に沿ってやってみる。それは外部からの刺激に対する感情を、以下の手順で取り扱うというもの。
- 事実を受容し
- 感情を共感し
- 感情に感謝し
- 感情を手放す
早速、試してみた。
事例1 「理知くん」に任せる
【外部の刺激】・・・明後日の会議の資料ができていないことに気づく。(やばい!やばい!やばい!)「警戒くん」が発動しかける。
待て待て。。。
- 確かに資料はできていないよね・・・受容
- このままではマズイよね・・・共感
- 「警戒くん」気づいてくれてありがとう!・・・感謝
- でも大丈夫!あとは「理知くん」が準備をしてくれるからね・・・手放す
こう意識することで「理知くん」が残りの時間を冷静に見積もって、その限られた時間の中で使えるリソースを整理し、会議の資料を準備してくれた。しっかりと間に合った。
事例2 「悟りびと」に任せる
【外部の刺激】・・・部下が指示したことをちっともやっていない。(おい!おい!おい!これくらいできるやろ!)また「警戒くん」が発動かける
待て待て。。。
- 指示したことを部下は確かにやっていない・・・受容
- 確かにこれくらいはやってくれても良いよね・・・共感
- 「警戒くん」!確かにこれは課題だね!気づかせてくれてありがとう・・・感謝
- でも大丈夫!あとは「悟りびと」に任せるからね!・・・手放す
「悟りびと」は部下に「指示したことって今どこまでできている?」とフラットに尋ねる。次に部下の話をしっかりと聴いて正確に理解する。今、この部下に足りていない領域の成長を支援する。部下と心が繋がり、いつの間にかこちらの期待以上のことをやってくれるようになる。
セルフコーチングに繋がる【叡智】
この自己対話はそのままセルフコーチングだと気づく。4つのキャラに名前をつけて、彼らとの対話することでセルフコーチングがより明確になり、効果性が上がることを実感する。
この【叡智】を習慣に!
せっかくの学び、毎朝、以下のアファメーションを声に出して読む。
私は「警戒くん」に感謝し「理知くん」を傍に「天真くん」で人と繋がり「悟りびと」で天と繋がっている
また一つ【叡智】を見つけた。

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