長い時間をかけてようやく気付いた。部下を自分の思うように変えることはできない。できることは部下が自分で気づき成長する機会を用意するだけ。教えて指導するのではなく自分で気付いて自ら変わる事を支援できるコミュニケーションをコーチングで学ぶ。真っ先に「自分」を変えることがリーダーシップと気付く。
最初の部下は3人
入社して、仕事を覚え、それを1件ずつ自分でこなしていくことが楽しくて、小さくても結果ができることに達成感と充実感を覚え、夢中で仕事に取り組んだ。ドーパミンに溢れたあの日々。
そんなある日、大きな組織の改編があり課の責任者を任された。初めての部下は3人。3人か?・・・・よし!これまでの4倍の仕事ができる!と思った。しかし・・・
部下を変える試み
初めてできた部下に、自分がやってきた事と「同じ事」を「同じやり方」で「同じスピードで」やってもらおうとした。
- やるべきことを伝え、
- やり方と手順を指示し
- やってもらって
- 結果を点検し
- 間違いがあればそれを教えた。
結果
ちゃんと指示すれば自分と同じ仕事をしてくれると思っていた。しかし、部下は私の思った通りに動いてくれなかった。仕事の成果も私の思い描いたものではなかった。
- 満足できない結果は自分で後から手直しした。
- もっと細かに手順を教えて作業の指示をした。
- もっと細かに結果の点検もした。
部下の教育の方法、指導の方法についても沢山の本を読んだ。学んだことはやってみた。それでも部下は「私には」ならなかった。
増えていく仕事
責任の範囲が広がり部下の数は増えても、自分が直接やる手直しは減るどころか確実に増えていった。
作業の効率を向上する工夫も随分とやってみた。
- スケジューラをあれこれ試し
- 予定の立て方を学び
- 長い期間が一目で見える手帳に変えて
それでも時間は足りなかった。当たり前の様に夜遅くまで残業し、当たり前のように休日も出勤した。GW、夏休み、冬休みの長期休暇も必ず何日かは出勤した。時に全く休みの取れない長期休暇もあった。それでもこれが責任者の仕事だと疑いもしなかった。
崩壊
心のどこかに『なぜ、みんな私の思った通りにやってくれないのだろう?』不安と怒りを抱えていた。
300人を超える部下を持って5年目にこのやり方は完全に破綻した。
部下を変えることはできない
ようやくたどり着いた結論は「部下を自分の思うように変えることはできない」というシンプルな事実。
もちろん部下の中には、どんどん自分で仕事を覚え自分で課題を解決していく人、成長していく人は沢山いた。
でも、よくみると、それは私の教えたペースではなかった。私のやり方とも違っていた。彼らはそれぞれの彼らのやり方で答えと成果を出していた。部下はやはり私ではなかった。
思い知ったのは、部下は【自分で自分を変えようと思った時だけ、自分のやり方で自分を変える】という事。
私ができる2つのこと
では、今の私ができることは何か?その答えは2つ
- 部下が成長するヒントと機会を作ること
- このヒントと機会を部下に気づいてもらい、受け取ってもらうコミュニケーションを学ぶこと
- 【私が変えられるのは私自身だけ】のパラダイムに立ち戻り
- 私を部下に受け取ってもらえるコミュニケーションのできる私に変えること
私の*【影響の輪の中】にいるのは部下ではなく私自身でしかないことに改めて気づいた。*『7つの習慣』
コーチングの学び
部下に受け取ってもらえるコミュニケーションの方法を探して行き着いたのは【コーチング】
以前から【コーチング】というコミュニケーションの方法があることは知っていた。幸い、社内外でこのコーチングの研修を受講するチャンスを戴き、ここに飛び込んで学ぶことにした。
気づき
まだまだ学び始めたばかりではあるが、何人かの部下や仲間とコーチングしてみた。それだけでこの方法の効果の広さと深さに感動している。真っ先に気づいたことは
- 「部下」という名前の人間は一人もおらず
- 「部下」の一人一人は、それぞれに、これまでの私が知っている彼らの範囲を大きく超えて
- 多様で、個性的で、
- エネルギーと感情に満ちていて
- それぞれの使命に強い思いを持ち
- 一人一人が自分の人生を豊かに生きているという事実
私にはこの素敵な仲間達の一人一人=可能性に満ちた豊かな人間が見えていなかった事を思い知った。
反省
改めて振り返るとこれまでの自分のマネジメントのスタイルが機能しない理由は明白だった。
- この様に多様で個性的で豊かな可能性を持っている一人一人の人間に対して
- 私という小さな人間に固有のやり方を押し付けていて
相手に受け取ってもらえるはずもなかった。そもそもこのやり方は人間の原理原則に反していた。
大切な素敵な仲間一人一人とコーチングでコニュニケーションを図りそれぞれの強みと得意を引き出してもらう支援をして、皆んなにワクワクして仕事をしてもらうことが今後の私のMISSIONになった。
コーチングによる学びのシェア
コーチングはまだまだ学び始めたばかり。また部下や仲間とのコーチング事例は30人ほど。それでもすでに多くの気づきや学びを得始めている。
自分の成長の記録としてこのコーチングからの学びを丁寧に拾い上げてここに書き留めていきたい。
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