座右の書『稲盛和夫一日一言』。2月15日の今日の一言は【もうダメだというときが仕事のはじまり】。絶体絶命の危機にこの言葉に再会する。本気で仕事に向き合っている現場のど真ん中に降りてきた言葉。稲盛さん!天から見てた?
大きなトラブルにようやく見通しが
前年11月に大きなトラブルが勃発。そこからの約3ヶ月間修羅場が続いた。メンバー全員がヘトヘトになりながらもなんとか全力で調査や解析、報告書の作成、お客様との打ち合わせに喰らいついてくれた。ようやくトラブル処置の方向性と対象範囲が決まり目処がつきそうになったのは1月の終わり。
お客様もこの処置方針について基本的には合意してくれていた。最後の決着をつけるための万全の準備をして2月15日にお客様を訪問した。
振り出しに戻る
2月15日の朝は冬の冷たい雨。霧の立ち込めているハングル文字の表示の高速道路を現地の営業の方の車でお客様に向かう。午前10時前にお客様に到着。この国で一二を争う大企業であるお客様。雨雲の中の高層ビルは上層階が見えない。何かを象徴している。
既に7−8人のお客様が待っている会議室に入る。挨拶の後、用意した資料を説明しようとする我々を遮るようにお客様からの言葉。
「報告いただく前に、実はこの件で大丈夫と思っていた対象外でもトラブルが起こってしまってるんですよ。先に説明しますね」
淡々と発生した追加の問題、これを示す試験結果とDataが示される。
「我々もこの結果に困ってるんです。どうされますか?御社の見解が欲しいです。」
この時点で完全に振り出しに戻ってしまっていた。急な展開に戸惑いながらも、絞り出すように・・・
「ありがとうございます。一旦、レポートとDataとサンプルを頂けますか?まず新たに発生したトラブルの現象を調べた上で、我々の今後の方向を検討して報告をさせてください。お時間をいただけますか?」
とお伝えし、頭を下げて、お客様を後にした。
『稲盛和夫一日一言』:2月15日の言葉
肩を落として現地のOfficeに戻る。
ふと、、、この日、まだ今日の「稲盛和夫一日一言」を読んでいなかったことを思い出す。いつものように今日=2月15日の頁を開く。目に飛び込んできた今日の一言は
「もうダメだというときが仕事のはじまり」
一つのことをやり始めたら、それをやり抜く執念、また達成するまで継続する力が成功のための必須条件となります。「もうダメだ」と思った時点を終点とせず、仕事の再スタート時点と考え、成功を手にするまでは絶対に諦めない粘り強さ。自分に限界を設けない。あくなき挑戦心ーそれこそがピンチをチャンスに変え、失敗さえ成功に結びつけることを可能とするのです。
『稲盛和夫一日一言』2月15日より
稲盛さん、天から見てた?
思わず空を仰ぎみる。
「稲盛さんひょっとして見てました?」「今、このPageを差し替えましたか?」
もうダメだというときが仕事のはじまり
もう一度、腹を据えて今日の一言を読み直す。そうか。。。【ここから本当の仕事が始まるんだ!】
Teamsのこの問題解決グループのチャットにお客様との打ち合わせの結果をレポートする。
そこに加えて『稲盛和夫一日一言』の今日の言葉「もうダメだという時が仕事のはじまり」を全文、書き写して展開する。
新たな取り組み
早速その午後にTeamsで現地と日本との打ち合わせを設定。アクションを決める。
最後に『稲盛和夫一日一言』の今日の言葉【もうダメだという時が仕事のはじまり】を伝える。ここから再スタートすることを皆んなで決める。
新たな闘いが始まった。
3月27日に目処
そこから1ヶ月半。3月に3回このお客様に通った。
- 1回目は、けんもほろろ。提案が全く受け入れてもらえない
- 2回目は、一応、話は聞いてもらえたが、見直しした提案はやはり却下
- 3回目の見直し提案をようやく、受け入れてもらえることになった。
最後の提案を説明した後で、お客様に「真剣に検討して提案してくれてありがとう。これでやってみよう!心から感謝します」という言葉を頂いた。
これが3月27日。
3月27日の一日一言
3月27日の『稲盛和夫一日一言』
「実体験が財産となる」
偉大な仕事をなしうる知恵は、経験を積むことによってしか得られない。自らが身体を張って取り組んだ実体験こそが、最も貴い財産となる
『稲盛和夫一日一言』3月27日より
本気で取り組む者へ刺さる言葉
「原則」は確かに在る。しかも私たちの周りに確かにそれは在る。私たちが気づくことを待っている。しかし、それを受け取るには目の前の問題や課題を「自責」で考えて「主体性を持って真摯に取り組むこと」が条件になる。
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