科学とはものさしを統一=標準化して現象を測定し、そこから現象の土台に共通する法則を見つけ出すこと。料理でもものさしの標準化が進んでいる。計量スプーンを作った香川綾氏。塩分を重量で標準化した勝間和代氏。
香川綾氏の計量スプーンと計量カップ
最近、香川綾という人物の存在を知った。栄養学を学問として確立し、大学を創立し、多くの人を育てた人らしい。何よりも驚いたのは、料理で普通に使っている計量スプーンも計量カップも彼女が作ったものらしい。
どんなレシピにも「小さじ2杯」「カップ1杯」などと分量が示されている。体積を計る計量スプーンと計量カップを考案しこれをものさしとして標準化して広めたのが香川綾氏とのこと。
料理をするときには計量スプーンと計量カップを使う。これがないと料理の味は保証できない。料理の時の必須の「ものさし」となっている。
勝間和代氏の塩分0.6重量%
かみさんは勝間和代さんから多くの事を学んで取り入れている。たまにしか料理をしない私の頭にも刷り込まれているマジックナンバーは0.6%。塩分の重量%を示したもの。
調理器具はホットクック。使い始めて5年は優に超えている。このホットクックとキッチンスケールがあれば私でも料理ができる。尚、滅多にフライパンや鍋を使うことはない。目玉焼きを作るときくらい。
ホットクックによる調理の手順
ホットクックによる実際の調理の手順は以下の通り。大切なPOINTは塩分の重量0.6%。理系の私にとってシンプルでわかりやすい。
- まず具材を適切な大きさに切って全てホットクックの「内釜」に入れる
- 次に具材の全重量を計る:キッチンスケールは所定の場所に置いてある
- 全重量から「内釜」の重さを引く:「内釜」の重量=880gという数字も刷り込まれている
- 残った具材の重さに0.006を掛る:電卓もいつも所定の場所にある
- 計算が終わればキッチンスケールの目盛りをリセットして“0“にする
- 手順 4で計算した重さだけ、塩分を加える。塩だけの場合は計算値の塩を。塩以外の調味料をつかう場合は、その調味料の塩分量を計算して0.6%に合わせる。
- 内釜をホットクックに入れてセットする
料理の出来栄え
元々、辛めの味付けで育っていて家族から「塩辛すぎる」との評価をもらっていた。しかしこのマジックナンバー0.6重量%を使い始めて以降、出来上がった料理の塩加減は文字通り良い塩梅。家族の評価も上々。
二人の共通の考え方
料理の味の再現性を支えているものはものさし
香川綾さんが標準化したのは体積を計るものさし。勝間和代さんが標準化したのは塩の量を計る重量というものさし。
どちらもものさしを統一して標準化することで料理の味の精度を上げている。そのお陰で十分な調理経験のない私でも一定のレベルの料理ができている。
ものさしから見た世界
人はまずものさしを決める事で経験を知識に変える。次にその知識を日々の生活に活かすためにものさしを標準化して基準を決める。生活のレベルを向上にものさしが貢献してきた。さらにより精度の高いものさしが新しい知識を生み出し、生活の向上に貢献している。
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